

前節の関門海峡ダービーをPK戦で勝利し、3連勝を成し遂げたレノファ山口FC。中3日の短い準備期間で迎える今節は、FC琉球と維新みらいふスタジアムで対戦する。目指すは4連勝。攻守で主導権を握り、大勢のサポーターの前で白星を手にしよう。

レノファは3試合続けて複数得点を挙げており、攻撃がチームに大きな流れを生み出している。前節は4.中島賢星と11.藤岡浩介のコンビネーションから2得点と前線が活躍。34.古川大悟も起点となり、攻撃陣がしっかりと結果を出した。ウイングバックも優位性を出し、25.藤森颯太の積極的な前線への仕掛けが相手の脅威となった。今節も北九州戦で見せた迫力を継続して出せると、良い結果を呼び込めそうだ。
特にシャドーは今節もバラエティーに富む攻撃の要諦となる。今節MDPの選手コメントページで中島自身が話すように、シャドーが「リンクマン」として振る舞い、自陣からのボールをフィニッシュワークにつなげられればチャンスの質は上がる。それに、琉球のプレースタイルを逆手に取り、レノファのシャドーがハイプレスを効かせられれば、相手陣で奪い返せる機会が出てくる。

小田切道治監督の連戦でのチョイスも楽しみだ。藤岡と中島が結果を残しているほか、前節は8.野寄和哉と19.山本駿亮も途中から出て良い流れを引き継いだ。琉球との前回対戦では7.三沢直人、17.田邉光平も高い位置でボールに関わっており、選択肢は豊富。小田切監督の連戦での采配を知る試合にもなり、どういう顔ぶれで挑むのか、大いに注目だ。
背後を突く攻撃でもレノファが良さを出せる試合になる。シャドーはもちろん、両サイドからのスプリントで背後を取っていく動きも何度か見られるだろう。前節先発の25.藤森颯太、途中から出場した20.末永透瑛、ウイングバックでもプレーする2.小澤亮太などはそれを体現できる選手たち。大きな声援を届けて、彼らのダイナミックな動きをサポートしていこう。
一方で、中3日の短い期間でも課題として取り組んだのが失点への対応だ。前節の2失点のうち1失点目は流れの中からの失点。これまで防げていた形だっただけに、良い意味で捉えれば目を覚まさせてくれる失点となった。琉球戦では相手に点と点で合わせられる失点を受けないように、連係してしっかりと守り抜きたい。
北九州戦の2失点目はセットプレー後に攻め残っていた相手のセンターバック(古巣対戦だった生駒仁)にゴールを許した。また、琉球との前回対戦ではミス絡みながらも後半の立ち上がりに失点を喫している。キックオフやセットプレーなど、試合が止まったあとの時間帯は鬼門とも言ってもいいだろう。応援の力も借りて、集中して難しい時間を耐えるようにしたい。
相手は古巣対戦となる高木大輔(背番号89)をはじめ、アメリカ人ストライカーのカル ジェニングス(同26)、トップ下からゲームを動かす石浦大雅(同11)など前線に特徴のある選手が多い。ただ、連戦でメンバーが読みにくいだけに、まずはレノファ自身が自分たちの良さを出すことが重要になる。自分たちの良さを出し、試合を優勢に進めていこう。
琉球との前回対戦もPK戦での勝利で、90分では勝ち切れなかった。やはり目指すべきは90分での完勝だ! 我らがホームの維新みらいふスタジアムで熱い声援を響かせ、上位追撃の4連勝を奪取しよう!

琉球との前回対戦ではシャドーの位置でピッチに立ち、最近の試合では6.輪笠祐士とボランチを組む。多彩なボール供給は流れの中からのチャンス創出に留まらず、セットプレーのプレースキッカーとしても存在感を示す。そんな鮮やかなプレーを見せているのが、連戦のキーマンとなる7.三沢直人だ。
専修大からY.S.C.C.横浜に入り、2018年に同クラブでJリーグデビューを飾った。2019年から鳥取、京都などでプレーしたのち、甲府を経て2025年からレノファのユニフォームに袖を通す。主戦場はボランチやシャドーなどで、ピッチの中央でタクトを振る要職を担う。
今シーズンは開幕戦でベンチスタートとなったものの、沼田航征の負傷を受けて前半10分過ぎからピッチへ。開始早々というアクシデントにも安定した対応を見せた。第5節鳥栖戦では先発に選ばれると、後半の立ち上がりに先制点を奪取して勝ちの流れを作り出している。
前節は関門海峡ダービーの北九州戦に先発して、試合終盤まで出場。チームは2得点2失点ながらもPK戦で勝利した。そんな試合を三沢は次のように振り返る。
「先制されたあとでも逆転できたのは良かったが、90分で勝ち切れなかったのは悔しい。(失点の場面では)マークの受け渡しとかが課題になった」
悔しさを滲ませた三沢だったが、相手の勢いを跳ね返してリードする時間帯を作れた要因を「ホームかと間違えるくらいのサポーターの応援のお陰だった」と断言する。1800人超のサポーターが声援を送る中で、負けるわけにはいけないと気持ちを前に向けた試合となった。
ただ、三沢を含めチーム全体が矢印を強く前に向けた分、結果的にはいつもよりもボールが行ったり来たりする展開となった。充実した試合になったとはいえ、三沢は次のようにも語り、輪笠や40.成岡輝瑠などのボランチとイメージの共有を進める。
「監督からはゲームを落ち着かせる部分とか、ゲームコントロールというところは言われている。ボランチでの距離感も大事にしているが、北九州戦では距離感の良さはあまり出せなかった。もうちょっと落ち着かせたい試合だったが、それでも後半は割と相手陣地でボールを持てるシーンはあったと思う。それを多くできるようにしたい」
今季序盤戦は小田切監督の戦術下でシャドーでも出場した。現在は4.中島賢星や11.藤岡浩介がその位置でプレーするが、三沢は「シャドーの選手はボールを間で受けることが仕事になっている。そこにどれだけ多く供給するかが大事」と話し、小田切戦術を取り込んで両シャドーのモビリティーを活かす。
ボランチ同士で距離感良くプレーし、前線にも効果的にパスを出す三沢のアビリティーは、今節の琉球戦や古巣相手となる次戦鳥取戦でも必ず必要になる。
「シュートでやり切って終わるようにしたい。最後の質をもっと高めて、2点、3点と取れればと思う。ただ失点が続いていて無失点の試合がないのは課題。複数失点してしまっているので、次こそは無失点にしたい」
三沢の特徴が見えるのはそれだけではない。攻撃時のセットプレーはキッカーの質がものをいうが、脚力があり、小さな振り幅からも鋭いボールをニアへ、ファーへと蹴り分けられる質の高さは折り紙付き。「練習の時はけっこう合ってると思うんですけどね…」と苦笑いも浮かべるが、「あとは試合で決めるだけ」と力を込め、研ぎ澄ましたキックを披露する。
自分自身のプレーの特徴を熟知し、監督から求められるプレーを理解し、それをピッチのど真ん中で表現しようと力を尽くす7番だ。決して多くを語る選手ではないが、報道陣に囲まれた練習場で試合への意気込みを問われ、短くこう言い切った。「勝ちます!」。連戦連勝へ、静かにも熱く、魂をたぎらせる。

オタさん(小田切道治監督)も言っていますが、連戦でも1試合1試合、目の前の試合が大事だと思います。琉球は元チームメイトの堀内颯人くんがいるので対戦するのが楽しみです。琉球は後ろにもフィードがうまい選手がいるので、そこからの1本で背後を取られないようにすることと、中盤にも時間を作れる選手がいるので自由にさせないようにしたいです。
ウイングバックのところでのやり合いは必然的に出てくるので、積極的に高い位置を取って相手を押し下げることと、システムがどうであろうと自分のところではボールを引き出して前進していくことは変わらないです。北九州戦でホームのような雰囲気を作ってくれたサポーターの方々にはすごく感謝していますし、あのすごい後押しを受けて勝つことができたと思います。今度はホームになるので、また一緒に戦ってもらえたらと思います。笑顔で帰っていただけるように、僕たちはピッチで最大限に頑張りたいと思います。
90分で結果を出すことはやっていかないといけないです。北九州戦はリーグ戦だったら勝点1しか拾えなかった試合でした。昇格や特別大会でも上位を目指すには勝点1を3に変える力がチーム全体として大事です。琉球戦も難しいゲームになるとは思いますが、良いメンタリティーで試合に臨みたいです。琉球の高木大輔くんとは1年目で一緒にプレーしていました。僕は1年目だったので、その時よりも成長した姿を見せたいです。琉球は中山元気さんもいるので、楽しみな試合です。
1試合1試合与えられた時間の中でチームに貢献し、100パーセントでやっていきたいと思います。早い段階で結果を手にしたいですし、アシストやゴールも大事ですが、そこに繋がるまでのプレーや起点になることも自分の持ち味だと思います。数字を意識しすぎず、自分らしくやりたいと思います。
前節フォーメーション
前節ハイライト
前回対戦ハイライト
スタッツ
FC琉球 PICK UP PLAYER
高木大輔(背番号89)
元レノファのストライカー
ゴールを目指す熱気に要警戒!
がむしゃらにゴールに向かうプレーを見せるのが、レノファでも活躍した琉球の高木大輔だ。高木は東京Vのアカデミーからトップチームに昇格したのち、2018年にレノファに加入。19年の途中まで前線やサイドアタッカーとして躍動したのちにG大阪に移籍し、J1リーグ戦にも出場した。2021年からも3年間、レノファでプレーして主力となった。父で元プロ野球選手の高木豊さんが山口県出身ということもあり、山口にゆかりがある選手の一人だ。
琉球には2024年から所属し、レノファ時代と変わらず積極的にゴールを狙う。全てに全力を投じる熱いプレーにはファンも多い。もっとも戦術への理解力も高く、幅を取ってボールを受け渡したり、タイミング良く背後を突いたり、守備にも奔走したりと、どんな役割を求められてもしっかりとそれをこなす。
前節は先発しなかっただけに、連戦の今節に出場する可能性も高そうだ。いわゆるバイタルエリアと呼ばれるボランチとセンターバックの間は高木が持ち味を出しやすいゾーン。高木の恩返し弾を喰らわないようにするには、レノファは6.輪笠祐士、7.三沢直人をはじめとするボランチ陣やセンターバック陣の連係が大事になる。ただ、高木のアグレッシブさはレノファ守備陣にいっそうの奮起を促すに違いない。互いに熱の入る奮闘が見られるのも楽しみな一戦になりそうだ。
INFORMATION
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