
レノファ山口FCは4月13日にカターレ富山と対戦する。JリーグYBCルヴァンカップでJ1鹿島アントラーズに勝利したレノファは、試合で得た大きな経験値を引っ提げて、富山県での試合に臨む。
カターレ富山は昨シーズンのJ3を3位で終え、昇格プレーオフを経て11年ぶりにJ2に戻ってきた。レノファと富山の対戦は両チームがJ3にいた2015年以来10年ぶり。同年のJ3は3回戦総当たりのレギュレーションで、レノファが2勝0分1敗と勝ち越している。
富山は2023年シーズンの途中から小田切道治監督が率いる。小田切監督は選手時代に富山のJFLからJ2への昇格に貢献し、監督としてもJ2昇格を果たした。今季のJ2ではリーグ戦8試合でわずか5失点の堅守が際立ち、コンパクトなブロックを築きつつも、ボールには厳しくアタックする守備で相手のクオリティーを下げさせている。
レノファはその堅守を崩していかないといけないが、まずは相手の攻撃をしっかりと抑えたい。注意したいのが前線の碓井聖生(背番号9)だ。ルヴァンカップ1stラウンド1回戦の千葉戦でハットトリックを達成したほか、前節のロアッソ熊本戦も無得点だったとはいえ、前線で攻撃を活性化させた。古巣戦となる14.下堂竜聖は碓井について次のように話して警戒する。
「オールラウンダーというような選手。裏抜けも得意だし、両足でのシュートもあります。ヘディングの身体能力もあります。去年一緒にやっていても良い選手だなと思っていたので、そこで本当にやられないように集中していきたいです」
下堂と碓井の1対1の対決は両サポーターにとっても楽しみなものとなりそうだ。ただ、レノファとしては可能な限り碓井がボールに触れる回数を減らしたい。その点では鹿島戦の経験が生かせそうだ。
というのも、鹿島と富山はフォーメーションが4-4-2または4-2-3-1で、サイドハーフとサイドバックの立ち位置の取り方も似ている部分がある。サイドで起点を作られたり、中央からくさびを通されたりすると危険な場面に直結するが、鹿島戦では素早い対応を継続できた。1失点したもののフィニッシャーのレオ セアラと鈴木 優磨にボールが集まるのを防いだのは大きな成果だ。
富山戦でも下堂と碓井がバトルする前の段階で、しっかりと相手に制限を掛けられれば、不用意に失点することはないだろう。ルヴァンカップにも出ている選手は体力的には大変かもしれないが、サポーターの後押しを受けたハードワークを続けたい。
レノファの攻撃では、クロスボールとセットプレーが得点源になる。富山の堅守は崩しにくく、レノファのアタッカー陣が使えそうな背後のスペースは狭い。どちらかといえば、サイドを愚直に突いたあとにクロスボールを上げ、FWが点で合わせる場面のほうが決定機になりやすい。
リーグ戦前節の愛媛FC戦後に34.古川大悟が「岡庭選手(55.岡庭愁人選手)はピンポイントでクロスを上げてくれる。僕自身はボールに合わせるというよりも、まずは相手との駆け引きに勝つ。そしたらボールは来る」と語っているが、まさにクロス精度とFW陣の駆け引きがものを言う試合になりそうだ。
また、セットプレーは鹿島戦での先制点につながった。10.池上丈二の蹴ったフリーキックにタイミングを合わせた27.小澤亮太は、瞬時の判断で「スルー」だった狙いを変え左足を振り抜いた。富山戦でも相手が堅守であるだけにセットプレーの重要度は高い。チームとして複数のセットプレーの選択肢を持って臨むことになるが、ピッチ内での判断も研ぎ澄ませてゴールを狙いたい。
今季2度目となった3連戦の締めくくりに待つ試合は、レノファが上へと進むために重要な90分間となる。鹿島戦同様にロースコアの展開も想定されるが、ルヴァンカップで得た自信と「もっとやれる」という野心を胸に、全力を注いで前進していこう。現地で、DAZNを通して、あるいはパブリックビューイングで精一杯の声援を送り、勝点3を奪取だ!
鹿島戦は120分を通して良い対応ができたと思います。失点はしましたが、2点目を取られると本当にきつい状況になるということは分かっていました。ここで耐えられれば自分たちにも勝てるチャンスは来ると思っていましたし、複数失点はしないということは共有できていたので、それが勝ちという結果につながったと思います。
カターレ富山はJ2の中でも特別なチームで、ようやくJ2の舞台で対戦できます。富山にも素晴らしいサポーターがいて、スタジアムは自分がプレーしてきた中でも独特な雰囲気もあります。(レノファの)チーム状況は苦しいですが、自分たちも勢いを持って入れると思います。個人としてもチームとしても勝点3が欲しい状況なので、チーム全体で頑張っていきたいです。
富山は守備が本当に手堅いチームで、リーグで2番目に少ない失点数です。そこをどう崩していくか、自分たちが問われるところでもあると思います。ディフェンスラインとしては無失点で耐えることができれば、自ずと勝ちが近づいてくると思うので、守備は絶対に失点0で抑え、攻撃でも複数得点を目指しながらやっていきたいと思います。ルヴァンカップは自分たちがチャレンジャーとして戦うことができましたが、リーグ戦でもその精神を忘れずに、どんな相手にも120パーセント以上の力を出し、リーグ戦も本当に一発勝負の気持ちでやっていきたいです。
鹿島戦はチームとして全体的に前から積極的に行くことができていたと思います。その中で自分のところにもチャンスはありましたが、まだ得点だったり、アシストだったりという結果が出せていないので、もっと精度を高くやっていかないといけないと思います。90分間を走りきれるとは思っていますが、120分も戦わせてもらえたのは自分の中でも嬉しかったですし、リーグ戦も運動量を維持しながら、クオリティーを高くやっていきたいと思います。
自分としても鹿島戦を戦えたことは楽しかったですし、チームとしても全員であれだけやれれば、あのような試合にできるということはチームとしてもプラスになったと思います。
富山は昇格してきたチームで好調ですし、良いチームだと思います。ただ、鹿島戦でもそうでしたが、相手のフォーメーションは自分たちにとって前からはめやすいところはあります。取ったボールをカウンターにしたり、次のプレーにつなげていったりすることを大事にしていければ、チャンスは増えると思います。鹿島戦で自分たちもやり方を再確認できたと思いますし、全体でハードワークし、自分も結果にこだわってやっていきたいと思います。
前節フォーメーション
前節ハイライト
スタッツ
INFORMATION
NEXT HOMEGAME