
リーグ戦では初対戦となる鳥栖に挑むアウェイゲーム
暑さへの対応とゲームコントロールが勝負のカギ
先週までの3連戦を無敗で終えたレノファ山口FC。今週末は佐賀県鳥栖市でサガン鳥栖との一戦に臨む。リーグ戦では初対戦となるが、昨年の天皇杯ラウンド16でレノファが2-0で快勝しているほか、練習試合を組むこともあり、全く知らない相手ではない。レノファのプライドを胸に最後まで戦えれば、勝ち星を自分たちのもとに呼び寄せられるはずだ。
鳥栖は2011年以来のJ2リーグ戦となり、開幕からは3連敗と苦戦したが、上位のRB大宮アルディージャ、V・ファーレン長崎などに勝利するなど調子を取り戻し、現在は8位に付けている。長くJ1にいたチームであるだけに、個人の技術が高く、対人強度の高さもある強敵だ。
フォーメーションは最序盤の4-4-2から、3-4-2-1に変えている。自陣からのビルドアップでは3バックの3人が主体的にボールに関わり、ゴールキーパーの加担はそれほど多くない。3バックとボランチで組み立てつつ、ウイングバックの新井晴樹(背番号7)、松田詠太郎(同22)が早い段階で高い位置に進出するのが特徴と言えよう。
3バックではレノファでプレーして鳥栖に復帰した平瀬大(同3)が出場する可能性もある。今季はまだリーグ戦での出場はないが、JリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド1回戦の松本山雅FC戦(3月26日)に先発し、延長戦を含む120分に出場している。3バックの右で出れば、28.小林成豪や38.末永透瑛とのマッチアップが考えられる。
前線では前節の長崎戦で2ゴールを挙げている山田寛人(同34)、欧州各国リーグでプレーしてきたリトアニア人選手のヴィキンタス スリヴカ(同77)のバランスが良い。スリヴカが下がってボールを受ければ、山田が背後への動きを見せ、山田が収めればスリヴカや西川潤(同11)がゴール前に飛び出すタイミングをうかがう。流動的に動く前線に振り回されないよう、レノファ守備陣はコンパクトな布陣をしっかりと保ちたい。
ただ、レノファの守備でより重要になるのは相手ビルドアップの第一歩を遅らせることだ。相手の3バックに対してレノファは2トップのため、もう一枚をプレスに割く必要がある。例えば17.田邉光平や40.成岡輝瑠が前に出て3バックのパスコースを遮断するなど、確実なプレッシングが重要になる。
プレスが効いてボールを奪えればショートカウンターにも移れるが、試合自体はカターレ富山戦と同様にボールを持ちながら崩す回数は多くなる。相手ウイングバックの背後、すなわち3バックの脇を取りつつ、クロスを使ってシュートチャンスを作る機会も増えそうだ。クロスの上げ手が3バックとゴールキーパーの間に落ちるような質の高いボールを供給できれば、9.有田稜の2試合連続ゴール、先発出場の機会が増えている34.古川大悟の得点にも期待が高まる。
ゲームの進め方もカギを握る。レノファは後半途中からの失点が減っておらず、前節も勝点2を失う要因となった。今節は気温が27度前後の暑さになると予想されることもあり、後半途中で体力が落ちてしまうと状況は暗転する。選手たちを暑さに慣れさせる「暑熱順化」に乗り出している志垣良監督は、「暑い中でどうゲームをコントロールするか。粘り強くやりながら点を取っていけるようにしたい」と話す。守備でハードワークしつつも、ボールを保持できるときには余裕を持ってボールを握り、体力の消耗を防げるかが勝負の分かれ目になりそうだ。
また、鳥栖は10.池上丈二、8.野寄和哉などと同じ大阪体育大出身の泉森涼太がゴールキーパーを担い、一歳違いの野寄が泉森と向き合う状況もあるだろう。その泉森の背番号は12。鳥栖は永久欠番としている17番がサポーターナンバーとなっており、Jリーグでは珍しく12番を付ける選手がピッチに立っているのも、今節ならではの見どころになる。
レノファが初めて佐賀県鳥栖市にある球技専用の「駅前不動産スタジアム」に乗り込む試合だ。JRや高速道路でのアクセスに恵まれており、アウェイゲームの中では比較的行きやすい場所にある。ぜひとも多くのレノファサポーターで声援や拍手を送り、暑さをものともせず戦う選手たちを後押ししていこう! さあ今節も全力で勝点3を奪取だ!
富山戦は自由にやりつつ、ボールを引き出したり、裏を狙ったりするという指示があって入りました。得点のところは、札幌戦だったと思いますが、(有田稜選手が似たような場面で)縦に行っていたイメージがあったので、今回も縦に突破すると思いました。縦に突破してから自分のところに来ると信じて走っていき、良いボールが来て、良い反応ができました。やはり勝ちたかった試合でしたが、試合の終わらせ方があまり良くない試合になったと思います。
9試合連続で試合に出るということはプロになって初めてだと思いますが、ケガなくどんどん良くなってきていると思います。サッカーとしては昨シーズンよりも柔軟にやれていて、最初の頃よりは合ってきているイメージはあります。チームとしてはもっと上に行かないといけないですし、個人としてはしっかりと結果を出して、チームに貢献するということが最終的にできていればと思っています。
(鳥栖戦は)連係面は大事になってくると思います。誰かが落ちたら、その裏が空く。そういうところは狙っていきたいです。チームとして逃げ切れないというところ、勝ちきれないというところは課題なので、1点目を取っても2点目は取りにいかないと難しい試合になると思います。しっかり守りつつ、もう1点を取るというところを突き詰めてやっていきたいです。
(富山戦で有田稜選手の得点につながった場面は)もっと速いパスにしようと思っていました。ちょっと当たり損ねた感じでしたが、雨で濡れていたのもあってキーパーがファンブルしてくれたという感じでした。自分が縦に行くところは警戒されることもあるので、より中で関わることは意識しています。相手が嫌がるプレーを選択したいと考えてやっていますが、無意識にボックス内には入って行けていることもあります。
(ラストパスの)自分の質でチームの結果が決まってくると思うので、もっと質は出していきたいと思います。(クロスの受け手には)シュートのポイントに100パーセントのパワーで入ってきてもらいたいので、もっと突き詰めてやっていきたいですし、安定した配給をして、改善していきたいと思います。
鳥栖は最初の頃はあまりうまくいっていなかったと思いますが、今は試合を見ていても攻撃でのボールの持ち方、守備でのプレッシング強度や連動性はかなりまとまっているチームです。アウェイですし、相当に手強いと思っています。サイドは仕掛ける選手もいますし、特徴があるので、そこの勝負は一つのポイント。ただボランチも攻撃が好きな選手だと思うので、そういうところで自由にさせず、より自分たちはコンパクトにやっていくことも大事だと思います。
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