
3月26日は大分市のクラサスドーム大分で「JリーグYBCルヴァンカップ」の1stラウンド1回戦を戦う。対戦相手はリーグ戦で10日前に戦ったばかりの大分トリニータ。両チームとも中2日というタイトスケジュールで迎える試合のため、リーグ戦の出場機会が少ない選手を中心とする選考になると見られるが、勝てばJ1チームと対戦できるだけに、高いモチベーションで臨むゲームになる。
ルヴァンカップは昨年からJリーグの全60チームに出場枠が拡大し、1回戦から3回戦まではノックアウト形式(トーナメント形式)で行われるようになった。昨年のレノファは1回戦で松本山雅FCと対戦し、PK戦までもつれる混戦の末、惜しくも敗退となった。今年はまずは1回戦を突破し、鹿島アントラーズとのゲームが組まれる2回戦へと駒を進めたい。
レギュレーション自体は昨年と同じ。90分で決着がつかない場合は15分ハーフの延長戦を行い、それでも同スコアの場合はPK戦で勝ち上がるチームを決める。レノファは昨年のルヴァンカップこそ1回戦敗退となったが、天皇杯では接戦を制して準々決勝まで勝ち上がっただけに、一発勝負での強さをもう一度発揮できれば、昨年を上回る結果を手にできそうだ。
対戦相手の大分は3-4-2-1もしくは3-5-2のフォーメーションで臨むとみられるが、前線はリーグ戦で先発している有馬幸太郎(背番号9)と伊佐耕平(同13)の組み合わせではなく、2024年に大分のユースからトップチームに昇格した19歳の木許太賀(同20)、サンフレッチェ広島から育成型期限付き移籍で加入している鮎川峻(同21)などの若手で構成する可能性もあるだろう。高さよりもスピードやテクニックに軸足を置くことになり、前回のリーグ戦よりはボールをつないでくるかもしれない。
大分は守備になると5-4-1か5-3-2の陣形となり、堅牢だ。攻略の難しさは1得点にとどまったレノファの攻撃が如実に示している。レノファはリーグ戦前節のロアッソ熊本戦も相手の守備を崩しきれず課題が残った。こうした中でポイントになるのがフレッシュな選手たちの積極的なチャレンジだ。前回の大分戦では出場がなかった30.奥山洋平は次のように話し、ピッチの外から見た景色をアドバンテージにしたいと意気込む。
「外から試合を見ていましたが、自分が出た場合はこういうところを狙っていけるかもしれないというようなことを考えながら見ています。周りの選手も自分が出たときを考えながら見ていたと思います。それを生かして、一人一人が勝ちにこだわってやっていけると思います」
奥山は周りとの連係でも手応えを感じており、大分守備陣の背後を取る動きでは大いに期待が懸かる。ブロックを崩す積極性では45.山本桜大や76.磯谷駿などの若手、古巣対戦となる28.小林成豪にも注目だ。そして、彼らを鼓舞する6.キム ボムヨンの存在も大きなものになりそうだ。
志垣良監督は「公式戦で何ができるか。昨年も末永透瑛はルヴァンカップに出たことが一つの良いきっかけになった」と語り、ルヴァンカップが出場機会に飢えた選手にとって成長の足掛かりになる場だと話す。さらに勝負にもこだわってこう続ける。
「亀川諒史がケガをしているという状況もあるので、長いシーズンでは次に出てくる選手の存在が絶対に大事になる。公式戦で(成長につながる)機会が得られるのは大事なことです。勝てば鹿島と試合ができるというのも、山口にとってもなかなかないチャンス。大分戦でしっかりと結果を出し、鹿島と対戦して山口が盛り上がるきっかけになればと思います」
監督も選手もゲームへの意気込みは熱い。
ただ、相手のメンバーやフォーメーション選択の読みにくさ、失点を避けたいというトーナメント特有のマインドを踏まえれば、両チームが慎重に試合に入ることが想定される。
しかし、フレッシュな選手だからこそ、前からアグレッシブに行くことも考えられる。筋書き通りに進むとは限らないのもカップ戦のおもしろさだ。0-0で膠着(こうちゃく)することも、とんでもなく数字が動くこともあるだろう。
何にせよスタメン争いに名乗りを上げたい選手たちのモチベーションは高く、きっとワクワクする試合になる。
この試合はスカパー!と同社配信サービスのSPOOXでライブ配信され、Leminoで録画配信される予定だ。
水曜日のナイトゲームも現地や画面越しに熱い声援を届け、鹿島アントラーズとの対戦が組まれる2回戦進出を全力で掴み取ろう。
レノファは年齢的にも若いチームなので、そこからのパワーはサポーターの皆さんも感じてもらえていると思いますが、もっと質を上げないと結果につながっていかないとも思っています。ベンチの中でもみんなの気持ちは相当に強いと感じていますが、気持ちが強い分、冷静にやらないとできないこともあります。みんなが良さん(志垣良監督)のサッカーを感じ取りながら、チームの良さをもっと出せれば、もっと勝てていけると思います。
試合に出ても出なくてもやることは変わらないですが、レノファは誰が試合に出てもおかしくないくらいみんなが良いものを持っています。それを僕が声を出して引っ張って、グラウンドでみんなの良さが出せるように考えて戦っていきたいと思います。
カップ戦は負けたら終わりですが、勝ったらカテゴリーが上のチームと戦うチャンスも出てくるので、まずは本当に目の前の試合を勝たないといけないという気持ちがあります。ルヴァンカップは勝てば鹿島とやれますし、去年も(天皇杯で)J1クラブの横浜F・マリノス、サガン鳥栖と対戦できたのは良い経験です。今年もまたJ1クラブとやりたいと思います。大分戦に勝ってチームに良い雰囲気を流せられるように、まずは勝ちを目指して戦っていきます。
(リーグ戦前節の)熊本戦は中央にクロスをどんどん上げていってほしいと言われていましたし、相手のバイタルエリアに入っていくことは意識してやっていました。あとは最後の質が課題だと思います。サイドバックをやったタケルくん(板倉洸選手)はクレバーな選手で、気を遣ってポジションを取ってくれるので、連係の部分ではやりやすかったです。
大分は上手いチームですが、自分たちも今までやってきたことをベースにしてやりながら、その上でどれだけ勝てる試合にして、チーム力を上積みできるかだと思います。トーナメントなので120分の戦いになることもありますし、PK戦になることもありますが、失点しないことは大事だと思います。そういった中での先制点が大きく勝敗に関わると思うので、入りから100パーセントでやっていきたいです。
チームとして勝ちが欲しいので、出場するチャンスがあれば自分のプレーをしながら、勝利に近づけられるように貢献したいと思います。厳しい戦いになると思いますが、ここからはリーグ戦もルヴァンカップも天皇杯も負けられない戦いです。そういうことはチーム全員で共有できているので、しっかりルヴァンカップの試合からも体現していきたいです。
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