
2025年シーズンが開幕する。Jリーグは2026年から「秋春制」へと移行するため、春に開幕し、秋にフィナーレを迎えるというスケジュールは今年が最後となる。もっとも「春」と言うには肌寒い日も続いているが、樹木に萌芽が見えているように、我らがレノファ山口FCはどこよりも早く芽吹き、誰よりも速く全力疾走でシーズンの波に乗っていきたい。
レノファは今季は多くの新戦力を迎え入れた。キャンプ中のトレーニングマッチでは約半数が入れ替わったチームとは思えないほどの成熟ぶりを見せており、仕上がりとしては上々。志垣良監督は「大枠のところは良くなってきている。ちょっとした部分も開幕戦までにやっていけると思う」と話し、オープニングマッチへの準備も整っている。
開幕戦は選手選考そのものが楽しみだ。キャプテンの一人に指名された18.亀川諒史を含むディフェンスラインはフィジカルに秀でた選手が揃っており、誰が出ても相手の攻撃を跳ね返せそう。最前線は高さがあり起点になる9.有田稜、練習試合で早くも得点を量産している38.末永透瑛など特長を持った選手が並び、試合展開に応じて柔軟に交代カードが切れる。今年からベンチ入り人数が7人から9人に増枠されるのも追い風で、攻撃のバリエーションは着実に増えそうだ。
そうした中でゲームのポイントになるのがボランチの選手たち。中盤でボールに関わって攻撃のスイッチを入れたり、相手にスペースを使われないようにリスク管理したりと攻守で大きな役割を担い、「良い守備から良い攻撃へ」という流れを作り出す。このポジションは、レノファのサッカーを誰よりも知る10.池上丈二、副キャプテンに指名された2年目の17.田邉光平、レノファに戻ってきた技巧派の40.成岡輝瑠、そしていきなりの古巣対戦となる7.三沢直人など競う。
「求められる部分は大きくなる。責任感を持ってやり抜きたいですし、まずは自分が絶対的な存在とならないといけない。去年達成できなかった初ゴール、初アシストに向けてやっていき、さらに5ゴール5アシストの目標に向けてやっていく。やってやるぞという気持ちは去年よりも大きいので、悔しさをぶつけるシーズンにしていきたい」
田邉はそう話し、目に見える結果にも力を注ぐ。ヴァンフォーレ甲府とのフォーメーションの噛み合わせを踏まえると、レノファのボランチは相手に厳しく行ける反面、相手からもかなりのプレッシャーを受けることになる。いきなりタフな戦いとなる中で、ひるまずに前進することが開幕戦の成否に直結する。試合のカギを握るボランチたちの振る舞いに注目だ。
相手の甲府はサンフレッチェ広島で長年活躍して甲府に戻ってきた柏好文(背番号18)の病気療養を発表しているほか、昨年はリーグ戦8試合に出場している若手FWの村上千歩(同13)、J3テゲバジャーロ宮崎で経験を積んできたMF遠藤光(同20)の負傷も発表している。ただ昨年の主力選手は多く残り、監督も昨夏就任の大塚真司氏が続投するため、大きくスタイルが変わることはなさそう。
気をつけたいのは縦に鋭く出てくるチャンスメーカーたちで、名前を挙げれば、小林岩魚(背番号6)、荒木翔(同7)、鳥海芳樹(同10)などだ。甲府はチームの顔とも言える三平和司(同9)やカターレ富山から加入したマテウス レイリア(同77)がフィニッシャーを担うとみられるが、長いボールよりは荒木、鳥海などを経由する攻撃のほうが多くなる。レノファはそこでリズムを作らせないように、厳しいプレスを掛け続けたい。
試合全体を俯瞰すれば、お互いに守備からしっかりと入り、時間の経過とともに攻撃に重心が傾くような展開が想定される。早い時間から得点が取れるに越したことはないが、敗北を絶対に避けたい開幕戦は前半をスコアレスで進め、後半で勝負を決めるようなストーリーのほうが現実的。試合が動く時間と立ち止まる時間の見極めも重要になる。
いよいよ2025年が幕を開ける。
甲府に乗り込む志垣監督は「粘り強く戦って相手にゴールに押し込むことを表現できれば、自ずと結果は付いてくる。チーム全員で戦っていきたい」と誓う。
特に試合が動こうとする時間の大きな声援は、一層のパワーと勇気をもたらすだろう。まさに全力でゴールに向かう選手たちの背中を押すものとなる。
現地からの応援とパブリックビューイングや画面越しの応援でパワーを与え、開幕戦を飾る勝点3を持ち帰ろう!
レノファに移籍してきて、年齢も上から数えたほうが早かったですし、若いチームなので先頭に立ちながらやっていかないといけないということは考えていました。キャプテンを任せていただいて、より引き締まる思いがします。より一層責任感を持ってやっていきたいと思います。
キャプテンはプロキャリアとしては初めてですが、今までいろいろなキャプテンの背中を見てきたことを参考にしながら、自分なりのキャプテン像を描いていきたいです。
チームは本当に若い選手が多いですが、自分の意見を持っていて、ピッチの上では年齢に関係なくそれをぶつけることができる選手が揃っていると感じています。全員がチームが勝つために行動していければ良いチームになっていくと思いますが、長いシーズンの中ではうまくいかない時も出てくるので、そういう局面が来た時に全員が同じ方向を向けるように先頭に立っていけるようにしたいと思います。
シーズンを通してどんどん積み上がっていく部分ではあると思いますが、まずは開幕戦でチームが持っている今の100パーセントを出せるところに持って行けていると思います。昨年の最終戦が終わってからの3カ月間、ファン、サポーターの皆さんが一番楽しみにしていたのが開幕戦だと思います。
そこに何でお返しできるかと言えば勝利。アウェイでのスタートになりますが、しっかり勝ってホームに戻ってきたいと思います。
自分自身の体のコンディションも、チームの戦術の落とし込み具合も、もっと良くなるとは思いますが、ここまで良い形で仕上がってきていると思います。ディフェンスの横の連係は結構良いなと僕も思っています。攻撃面はかなり特徴のある強い選手がいるので、僕らはまずは守備。守備の構築面では横だけではなく、前線とも良い感じで話ができているので、そこはうまくできていると思います。
甲府は良い選手も多いですが、自分たちのやるべきサッカーをやっていければ結果は付いてくると信じています。開幕戦だからと気負いすぎず、僕らはチャレンジャーだし、新しい選手が多い中でどう融合させるのか。最初の試合なのでエラーが起きるかもしれないですが、それも含めて楽しみだし、絶好の相手です。良い準備をして戦っていきたいです。
まずは良い守備から入ることが大事です。良い守備がないと良い攻撃は成り立たないです。その良い守備を構築する自信はあります。良い守備作りはディフェンスラインを中心にやっていきたいと思います。そして開幕戦は長いシーズンの中で落としてはいけないゲームの一つです。どういう形であれ勝利を掴んで、次のホーム戦を良い形で迎えたいと思います。
練習を重ねるごとによくなってきている感覚がありますし、チームとして良いゲームができるという感覚があります。修正しないといけないところ、継続していけるところが試合を重ねるごとに出てくると思いますが、うまく共有してチームとして前進していきたいと思います。
甲府戦は相手の良さを消して、しっかり自分たちの良さを出せるようにしたいと思います。ゲームが始まったときに相手がやろうとしていること、相手の狙いとしていることを自分たちが少しでも消せるようにプレーしたいです。(志垣良監督が求める強度については)トレーニングの中でも声が掛かっていて、チームで意識を向けられていると思います。練習から強度を上げていければチーム力も上がるので、みんなで取り組んでいます。
今週の練習にもサポーターの方がたくさん来ていただきましたし、今年の始動の日は本当にびっくりしました。それだけ応援してくださっている方々と一緒に良いシーズンにできればと思います。開幕戦ではしっかりと勝利を持ち帰れるように自分の力を発揮したいと思います。
前回対戦ハイライト
スタッツ
2024シーズン
INFORMATION
次節ホーム開幕!イベント情報はこちら