

レノファ山口FCは今週末、愛媛県今治市のアシックス里山スタジアムでFC今治と対戦する。今治との試合はJリーグで2度目、レノファが同スタジアムで試合をするのは初めてだ。お互いにそれぞれの目標に向けて負けられない試合であり、文字通り“誇り”をかけた「プライド・オブ・中四国」の熱戦となる。
勝敗に直接関わってくるのが1対1の強度だ。今治は前線の2枚の外国籍選手、つまりマルクス ヴィニシウス(背番号10)とウェズレイ タンキ(同11)が得点源となり、長いボールも使いながら決定機を作るが、個々の局面ではチーム全体でバトルに強く、球際で優位に立つ。
レノファは2週間の準備期間を使い、その今治のやり方に対応できるように守備面にも意識を向けてきた。今節は中山元気監督が前節の退場処分の影響でベンチに入れないが、中山監督は「鳥栖戦も失点がもったいない試合になった。スコアが動くタイミングが悪かった」と話し、守備で出た課題を踏まえて次のように語る。

「今治は強力な2トップを中心として、速い攻撃と速いトランジション(切り替え)がある。そこで屈すると試合にならない。相手の勢いを裏返すことができれば自分たちのチャンスにもなる。セカンドボールのバトルも増えてくる。そこで戦えるメンバーでスタートから行くようにしたい」
鳥栖戦と同じで今節もフォーメーションは両チームが似た形を採る。ミラーゲームの様相を呈し、1対1の局面がどのエリアでも発生しうる試合だ。前節の反省を胸に、泥臭くも球際に強く行くことを徹底していきたい。
攻撃面での注目は8.野寄和哉と27.小澤亮太の連係だ。野寄はセカンドボールを拾ったり、小澤のスピードを生かすパスを出したりと献身的に動く。小澤は持ち味を生かして相手のフォーメーション上のウィークとなる3バックの脇へと推進する。そうした彼らの息が合えば、サイドを崩して相手ゴールに迫るチャンスが作れそうだ。

野寄は「もっと小澤を生かすためにも、スペースに流したり、縦に侵入するようにしたりしたい。オザ(小澤)のスピードを生かすプレーは相手も嫌だと思うので、自分たちのストロングにしていきたい」、小澤は「カズヤくんとのコンビネーションは良くなってきているので、もっと自分が足を動かして前に走る回数は増やしたい」と話す。
わずか2試合ながらもお互いに「もっとやれる」という手応えを感じており、両者の動きは攻撃に新たな可能性をもたらしそう。左サイドで55.岡庭愁人がバランスを取っているのも、右のスピードアップにつながっている。もちろんその岡庭のクロスボール、36.西堂久俊の推進力もレノファの武器。両ワイドのバラエティーに富む攻撃で得点に近づきたい。
対する今治はシンプルに中央を崩す攻撃が多々あり、一本のボールで状況を変える力がある。中山監督が話すように今治の攻撃への切り替えは素早く、J-STATSのデータからもカウンターや中央を使う攻撃はレノファよりも多いことが分かる。レノファが守備に転じた際に集中力を切らすとピンチを招きやすく、ピッチ内外で声を掛け合って緩みがないようにしたい。今治にも轟くレノファの応援もそれを助けるものになるだろう。
ここまで述べてきたように、攻撃で厚みが出るゾーンはレノファがサイド、今治が中央寄りとなる。この違いは双方にとってボールを奪った瞬間のカウンターにつながりやすく、容易にチャンスとピンチが入れ替わる。攻撃を完遂するためにも、失点を防ぐためにも、ボールを奪い合ったあとの切り替えは大きなカギを握る!
さあ、まもなく試合の時間を迎える。残り6試合となったリーグ戦にJ2残留を懸けるレノファ山口FC。今節は初対戦で悔しいゲームを喫した今治から初勝利を目指す試合だ。ここでの白星は、連敗脱出はもとより、残り試合で残留圏に飛び込むのろしとなる。絶対勝利! 熱い応援で反撃の勝点3を呼び込もう。

鳥栖戦は後半に修正できましたが、2失点してしまうと厳しい試合になりますし、1失点で抑えられれば2点は取れる力はあると思います。FWとしては2点目、3点目を取りに行かないといけないですが、失点を減らすために、状況判断を早くして相手を自由にさせないということはもっと早くやらないといけないです。
2週間、守備のところは多くやってきました。良いプレスを掛けているという手応えもありますし、何個もオプションを持って今治戦に行くために、相手がこういうやり方で来たら、自分たちはこうするというような摺り合わせもできています。選手同士でコミュニケーションも取れているので、プレスに行くところは問題ないと思います。
今治は鳥栖ほどつないでくるということはないと思います。シンプルに前に当ててセカンドボールを拾うということは狙ってくると思います。その対応も練習しています。ロングボールを受ける外国人選手にどれだけ競り勝てるか、セカンドボールをどれだけ拾えるか、そういう際の部分でどれだけ勝てるかということが肝になってくる。攻撃面でも自分たちがどれだけ収められるかになると思います。バチバチしたゲームになると思いますが、そこで負けないようにやっていきたいです。
(2週間の準備期間を使って)自分たちが得点に持って行けるパターンや強みをより理解して、その形を構築する。守備では失点の仕方や時間帯を含めて、練習から修正するというようにやってきました。攻守においてそういうゴール前のところはかなり確認してきました。鳥栖戦は守備のところでは1試合を通してあまりはめられず、最後をやらせないようなところも課題としてありましたので、そういうところの振り返りもしました。
今治はシーズンを通してやることを徹底してきている印象があります。相手がプレスに来たら2トップに蹴ってセカンドボールを拾うとか、守備になったらボランチも運動量が多いですし、全員で頑張ってブロックを敷きながら、全員で守っている印象があります。J3から上がってきて今の順位にいるのは、そういうところのベースが高いからだと思います。
ウイングバックとしては、起点になるのか、自分のところに食いつかせて背後を取るのか、そういうところは変わらずにやっていきたいです。サイドの選手としてはサイドを支配したいです。自分たちの攻撃の時間を長くして、相手のほうが守備に重きを置くような状況にすることは、どの試合もそうですが自分のタスクでもあると思います。今治戦はそういう攻撃の怖さを示していきたいです。
前節フォーメーション
前節ハイライト
前回対戦ハイライト
スタッツ
INFORMATION
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