
中山元気監督の新体制が発足して2試合目は、敵地での北海道コンサドーレ札幌戦となった。遠方での試合とはなるが、今週は各地でパブリックビューイングも開催される予定だ。新体制での初勝利に向けて、画面越しや現地の大和ハウス プレミストドームから声援を送って、選手たちを後押ししていこう。
レノファ山口FCは今週、快晴が続いた山口きらら博記念公園でトレーニングを重ね、互いの距離感や連係を深めた。痛いほどの日差しの中だったが、中山監督下で1試合をこなしたことでやるべきサッカーのベクトルが揃い、1週間前よりも密度の濃い練習となった。
中山監督は引き続きフラットに選手選考をしていく構えで、選手たちも「ここからが本当に大事。チームを助けるプレーをしていきたい」(8.野寄和哉)と気持ちを新たに競争に臨んでいる。良い練習の成果が、札幌戦で発揮されるに違いない。
その札幌は中山監督にとっては思い出の場所。2005年から5シーズンにわたって札幌でプレーした経験があり、特に2007年は13チームによる4回戦総当たり(1チーム48試合)のレギュレーションで45試合に出場、前線で攻守両面に貢献してJ1昇格にも導いた。現在の札幌を率いる岩政大樹監督が同年代ということもあり、「同郷の監督と札幌で試合ができるのは何かの縁。選手が躍動して勝てるようにしたい」と力を込める。
試合全体を見れば、ボールを持って攻撃を組み立てる札幌と、そこに対して前向きにプレスを掛けていくレノファという構図になる。特にポイントになるのが、1対1の局面での勝負だ。
J-STATSのデータでは札幌はデュエル(1対1の局面)の勝率が約55%でリーグトップの成績を誇る。攻撃時に相手のプレスを交わしたり、守備に転じた時にすぐに奪い返したりする強さがその数字に現れる。一方でレノファは5割を切って16位と分が悪い。前向きのプレスの意識を高めるだけでなく、今節は奪いきる厳しさも求められる。
34.古川大悟や45.山本桜大などのレノファの前線は相手のボールポゼッションに対して厳しくプレスを掛け、あわよくば奪い切ってショートカウンターに移りたい。また、ディフェンスラインは札幌のアマドゥ バカヨコ(背番号20)、マリオ セルジオ(同90)などの明確なターゲットに対して強く対応する必要があるほか、前節の試合で豪快なミドルシュートをしずめている高嶺朋樹(同6)を筆頭に球際に強い選手は多く、センターFW以外の動きも逃すことなく集中してケアしたい。
もう一つのポイントは、レノファが中盤でどれだけ優位性を出せるかだ。前節は29.輪笠祐士をアンカーに置き、その前に17.田邉光平、40.成岡輝瑠を置く逆三角形を編成。輪笠がどんと構えることで、田邉と成岡がスムーズにボールに関われたのは収穫だった。
札幌はボランチの荒野拓馬が累積警告で出場停止ではあるが、4-4-2でミドルブロックを組むことに変化はないだろう。そのブロックの中に入って起点を作り、流動的にサイドに展開したり、背後を突いたりして決定機を作りたい。前節のメンバーであれば、まさに田邉と成岡のボールタッチがカギを握る。
パブリックビューイングなどでDAZN視聴する場合は、このポジションの選手たちの平均ポジションやパス回数などに着目してみると、より試合を楽しめるだろう。もちろんより高い位置で、より多くボールに関わっていると、レノファが優勢だという証左になる。
さあ、中山監督が率いるレノファの2戦目が始まる! 「勝つことだけを考えて準備し、ゲームに備える。自信を持って選手たちがプレーできるように引っ張っていきたい」。そう熱を込める指揮官が、自らの古巣戦でオレンジの戦士たちを奮い立たせる。元気に満ちたレノファの熱い激闘に注目だ!
札幌は個のクオリティーがあるのでそこには気をつけないといけないです。相手の(ペナルティーエリアへの)侵入は避けたいですし、粘り強く体を張って組織的に守ることは必須になると思います。ただ、守っているばかりでは勝てないので、前節も良い形で攻撃に移れるところはあったのでそういうところは出していきたいです。相手の最終ラインだけで勝負するというシーンを増やせれば、得点をする機会は増やせると思います。高い位置で奪い返す、トランジションで取り返すということができる回数を増やせるかどうかの勝負になってくると思います。
(岩政大樹監督とは)選抜で一緒にプレーしたこともありますし、ヘディングが本当に強かったです。全部競り勝っていたという印象があります。自分が所属していたチームで、同郷の監督と試合をやれるというのは何かの縁だと思います。今はそれを楽しめる余裕はないですが、ただただ勝ちたいという気持ちがあります。監督という形で札幌で試合ができるのは嬉しく思いますし、その中でレノファが躍動している姿を見せて、勝つということを一番に考えて試合に臨みます。
(前節までの)準備期間はなかったですが、その中でも選手たちで良いコミュニケーションを取りながらやれました。真ん中の3人もそうですが、前の2人との関わり方も含めて悪くはなかったです。僕個人としては3人で関わっていく場面というのはもう少し増やしたいですし、真ん中に人数は多いのでそこを使いながらもサイド攻撃を誘発させられると相手も捕まえにくくなってくると思います。
レノファはメンバーを見ていても一人でどうこうするというよりは、みんなで攻めてみんなで守るということがやらないといけないことだと思います。僕もですが、周りと関わり合いながらやっていくスタイルの選手は多いと思うので、距離感や連係というのは必要だと思います。守備でも元気さんは前に前にというスタイルで、選手はそれに挑戦しています。そのための前への圧力は選手の中でも要求しあえているので、試合でイレギュラーは出ると思いますが、チャレンジしたいところです。
札幌は秋田とはスタイルが全く違うので、秋田戦とは全く別の試合になると思います。ただ、(レノファは)前に圧力を掛けていくスタイルなので、後ろは限定された中で潰しに行くことが肝になってきます。入ってきたところをどれだけ潰せるか。僕のところも、センターバックのところもですが、ツーウイングバックもいるので、そこで潰しに行けるかが本当に勝負になってくると思います。
前節フォーメーション
前節ハイライト
前回対戦ハイライト
スタッツ
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