
2025年シーズンは今節から後半戦へと入っていく。我らがレノファ山口FCは前半戦を18位で折り返すことになったが、リーグ戦は4試合負けなしで、前節も土壇場で勝点1を拾うを粘りを見せた。今節は「負けないチーム」から一歩進んで「勝てるチーム」へと進化し、1点でも多く取って勝点3を持ち帰ろう。
レノファは今、少しずつ攻撃での成功体験を積み上げてきている。例えば前節の45.山本桜大の得点場面は良い事例だ。
得点が生まれる少し前の場面でレノファは右サイドを使って敵陣に入り、8.野寄和哉が右から左奥へとサイドチェンジのボールを送る。これを号砲に組織的に前線に人数を割くことに成功。攻撃を作り直して55.岡庭愁人が再び右から左へとボールを送る時には、ボックスの中に5人を入り込ませた。
セカンドボールを回収した29.輪笠祐士からパスを引き出し、右サイドネットを揺らした山本桜のシュートは見事という一言に尽きる。ただ、敵陣を横断するサイドチェンジやゴール前に差し込むクロスボールを使って相手を揺さぶり、その過程を通じて前線に厚みを持たせるという組織としての作業も、継続してトライしていきたい。それは今節にも活かせるポイントだ。
今節の相手となる愛媛FCは5月に石丸清隆監督との契約を解除し、現在は青野慎也ヘッドコーチが監督としてチームを率いている。もともと質の高いボールポゼッションが特長にあり、新指揮官の下でも攻撃に大きく手を加えるというよりは、4-4-2だったフォーメーションを5バックにしやすい3-4-2-1にして重心を下げ、守備面のテコ入れを図っているという印象を受ける。
ただ、J-STATsのデータに出ているように、愛媛のクロスからの被弾が全失点の3割を占める。前節はジュビロ磐田に0-4で敗れているが、そのうちの3失点でクロスによるもので、愛媛のウィークポイントとなっている。中央を守る意識ははっきりと見えるものの逆サイド側が空きやすく、レノファも愛媛との前回対戦では、岡庭のクロスにファーサイド側で34.古川大悟がヘディングシュートをしずめた。
「前回対戦でゴールを決めたようなマークの外し方などで本当に一瞬の隙を突けるようにしていきたい。クロス上げる選手ともタイミングを合わせ、もっと要求しながらゴールを取れるように考えてやっていく」
古川はそう話し、今回も相手のウィークポイントを狙った攻撃からの得点を目指す。そのクロスと同様にセットプレーもポイントになる。いわき戦で値千金のゴールを奪取した5.喜岡佳太は「残留争いしているチームとのゲームではセットプレーから試合が決まることがある」と話し、もう一度セットプレーからも狙う姿勢を示す。
一方でレノファの守備時には愛媛のボールポゼッションの質が下がるようなプレスを掛ける必要がある。ただ、シンプルに前線に蹴られた場合は、臨機応変な対応が求められる。
愛媛の最前線が村上悠緋(背番号17)であれば背後のケアが重要になり、長身の田口裕也(同18)が入れば彼を起点にして、個の技術があるインサイドハーフの佐藤亮(同10)、甲田英將(同24)が積極性を出すだろう。セカンドボールからはレノファのアカデミー出身の行友翔哉(同48)が仕掛ける可能性も高い。誰が出ているかによって攻撃の形が変わってくるだけに、レノファ守備陣は状況を的確に判断しながら集中して対応したい。
後半戦の初戦はオレンジを基調とするチーム同士の「プライド・オブ・中四国」となった。試合展開は少し読みづらく、最下位に位置する愛媛が大幅に修正して臨むとも考えられる。睨み合うような展開も、行ったり来たりする展開も、どちらかが一方的に保持する展開もあり得る。ただ、レノファがやるべきことは変わらない。良い攻撃を続けるために良い守備をして、良い形でゴールネットを揺らすのみだ! さあ勝負の後半戦。「勝てるチーム」の逆襲につながる勝点3を、全力で取りに行こう!
いわき戦は本当に一瞬の隙で失点してしまったのでその部分は反省していますが、その中で2点を取れたことは良かったことだと思います。(輪笠祐士選手は)機動力があって動ける選手で、自分自身もどちらかといえばそういうタイプですが、誰が出て誰と組んでも遜色なくやっていけるチームになってきていると思います。相手陣地に押し込んだ時に、ボランチを経由しながら逆サイドに展開したり、その中で時間を作るということももっとできると思うので、もっと要求し合いながらやっていきたいです。
愛媛とは前回は最後に追いつかれてやられたという試合で、粘り強く戦われたという印象があります。自分たちが勝てた試合でもあったと思うので、やはり自分たちらしく戦いたいと思います。自分たちも前から行くチームではあるので、気温も暑くなってくる時期ですが、運動量のところは落とさずにやっていきたいと思います。
自分たちはサイド攻撃もストロングとしてあるので、(サイドの選手を)できるだけ高い位置に押し出してボールに触れるようにしたいです。その分、自分も高い位置でプレーすることで、いろいろな形も出せると思います。クロスボールを使う攻撃というのももちろん狙っていきたいです。自分としてもそこの精度は大事だと思っていますし、精度上げて積極的に関わっていきたいと思いますし、その回数はもっと増やしていきたいです。
(いわき戦の得点場面は)ワカくん(輪笠祐士選手)がフリーで持っていたので、自分はクロスからの入り直しの時からスペースを空けて、ドリブルで仕掛けたいということを考えていました。ワカくんが良いボールを出してくれて、そこからの切り返しも結構うまく決まったと思います。コースが見えていて、自分の中では良いゴールだったと思います。ただ、暑い試合で自分たちがふわっとする場面があり、そのふわっとしたところでやられたのはもったいなかったです。
守備は少しずつ僕自身の中でも整理されてきていると思います。自分は走れるほうなので、相手が高い位置を取ってきたとしても、そこに僕も戻れて対応できているのは良いと思いますが、無駄な体力を使うというようなことがあるともったいないので、守備の上手さのようなところはもっと身につけていきたいと思います。
愛媛は攻撃的なチームで、若い選手が多くてパワーがあるというのも感じています。守備も粘り強さはあると思うので、自分たちが隙を突いていくことが大事になると思います。クロスボールを使う攻撃は今の自分たちの特徴になっているので、そこはみんなで合わせながらやっていきたいですが、クロスだけじゃなくて、中で崩していくということもうまく使い分けていけると相手も嫌だと思います。そういうところをみんなで合わせながらやっていきたいです。
前節フォーメーション
前節ハイライト
前回対戦ハイライト
スタッツ
INFORMATION
6/28 HOME GAME