レノファ山口FC

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光市

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PREVIEW

中山元気監督率いる新生レノファの初陣!

前に向かう姿勢を貫き、復活の勝利をつかみ取ろう!

 

新生レノファ山口FCが復活の狼煙を上げる試合だ。維新みらいふスタジアムに迎えるのは勝点3差の16位ブラウブリッツ秋田。残留圏内に浮上するには絶対に負けられない一戦を、全力を尽くして戦っていこう。

 

レノファは1週間前の愛媛FC戦を0-2で落とし、リーグ戦で5試合ぶりの黒星を喫した。クラブは監督交代を決断し、新たに中山元気コーチが監督に就任。6月24日の初練習から中山監督が先頭に立って声を掛け、チームを指導した。

 

「ぶち熱いスタジアムに似合うサッカーをしないといけない。戦う姿勢が伝わり、躍動感があると思える試合にすることが大事。それがないと、夢、感動、元気を目標とするチームになれない。戦う姿勢を見せて前に向かい、最後にやまぐち一番を踊れるようにしたい」

 

中山監督はそう意気込みを語り、躍動感を取り戻して前向きに戦う考えを示した。2013年には当時中国リーグ(地域リーグ)のレノファを率い、毎日が決勝戦のようなトーナメント戦(全国社会人サッカー選手権大会)を制してJFL昇格の道を切り開いた経験がある。前半戦よりも勝点を積まないといけない後半戦は、まさに一戦必勝の中山魂の見せ場にもなる。

また、キャプテンの18.亀川諒史は「信頼してキャプテンを任せてもらった身としては申し訳ない。目の前の目標は残留にはなっているが、達成することで少しでも良さん(志垣良前監督)が報われればと思う」と胸の内を明かしつつ、「前を向いてやるしかない。元気さんのもとで練習が始まり、雰囲気も良いので、これを結果につなげていきたい」と気持ちを新たにトレーニングに取り組んだ。

 

その新生レノファの対戦相手はブラウブリッツ秋田。フィジカルの強さを武器にハードワークを重ねているチームだ。レノファでプレーした選手が多く、前節の試合ではGK山田元気(同1)、MF吉岡雅和(同20)、FW小松蓮(同10)の元レノファ戦士が軸となるポジションを務め、小野原和哉(同80)も今季ここまで13試合に出ている。

 

秋田は今節もダイレクトに前線に当てたり、サイドを起点にしてクロスボールを入れてきたりすると考えられる。レノファは秋田との前回対戦で小松に決勝点を浴びており、秋田のストロングを形成する彼らへの警戒は必須だ。

「前線のターゲットに強くボールを入れてくる。90分を通してそこのバトルが中心になってくると思うので、まずはバトルに負けないことがマストになる。その上で、やはり得点も遠くなっていると感じているので改善したい。(愛媛戦で)いろいろなところで予測が遅れて一歩、二歩が遅れたのは課題としてあるので、反応を早くし、自分たちの時間を作ることで上回っていきたい」

 

4.松田佳大はそう語り、バトルと反応速度に言及する。今節はセカンドボールの回収も重要になる。志垣体制下で培った反応速度を中山監督下でも高め、ファーストボールとセカンドボールの両方を制することが試合の成否に大きく関わってくる。

 

もっとも秋田の自陣からのビルドアップにはレノファが突ける隙もある。レノファが前から奪いに行くことは、相手のロングボールの質を下げさせるのみならず、奪いきってショートカウンターに出るチャンスにもなる。常に前向きに矢印を持って戦えれば、自ずと決定機は作れるはずだ。あとはFW出身の中山監督のもとで、現FW陣がしっかりとネットを揺らしたい。

 

チームの誰もが「不甲斐ない試合をしてしまった」と口をそろえる前節を濯ぎ、復活の凱歌を歌うべき試合が始まる。「自分たちには勝ち以外は必要ない。勝つために最後まで足を動かしていく」(中山監督)。初陣、いざ勝利へ。スタジアムが一つになり、全力で前に進むスピリットをほとばしらせ、最高の瞬間を呼び寄せよう。

PICK UP PLAYER

5.喜岡 佳太選手

古巣対戦で発揮するクロス対応力

小松蓮などとの攻防に注目!

守備に安定感をもたらすだけではなく、攻撃では2節前のいわき戦で値千金の同点ゴールをもぎ取るなど、両ゴール前で存在感を発揮する。その5.喜岡佳太が今節のキーマンだ。

 

体躯に恵まれた喜岡は、FCトッカーノ、市立船橋高、新潟医療福祉大を経て2020年にJ3のAC長野パルセイロでプロ入りを果たした。2年後にはJ2モンテディオ山形に舞台を移し、昨シーズンはブラウブリッツ秋田でプレーした。

 

秋田で過ごした1年のうち前半戦はレノファ戦でレッドカードを受けたり、肉離れで離脱したりと、思うように試合に絡めなかったが、くしくも2度目のレノファ戦で復帰を果たすと、その後はスタメンに定着した。Jリーガーとして一層の成長を遂げる時期にもなり、喜岡は「今でも覚えていることですが」と言ってこう回想する。

 

「(復帰2戦目の)いわき戦で谷村海那にクロスから2失点したあと、謙さん(吉田謙監督)が直接指導してくれたおかげでクロスからの失点を減らせたということがありました。練習のあとにセンターバックを集めて、ひたすらクロスの攻防、クリアの攻防をよくやってくれていました」

 

人に強くアプローチし、ボールは芯で捉えて跳ね返す。そんな喜岡の魅力が磨かれ、今年は守備の大黒柱としてレノファに招かれた。ただ、2月15日の開幕戦にフル出場したものの、翌週のトレーニングで負傷。復帰段階で再度の故障に見舞われ、戦列から3カ月間も離れてしまった。今年も前半戦は棒に振ってしまったが、「リハビリのときから(試合に出た時を)イメージしていた」と備えを怠らず、復帰戦となった5月18日の山形戦を無失点でクローズした。

 

フィジカルが強く、経験も豊富な喜岡が戻ってきたことで守備組織そのものが安定し、流れの中から失点する場面はなくなった。しかし、直近2試合はセットプレーから複数失点。前節はクラブが志垣良監督から中山元気監督への交代を決断するゲームとなった。

 

「良さんに呼んでもらってレノファに来ましたし、ケガで力になれなかったのは申し訳ない気持ちでいっぱいです。失点は監督、スタッフがどうこうというより自分たちの甘さが出たところが多かった。もう遅いですが、もっと責任感を持ってやらないといけなかった――」

 

胸中に募る悔恨を吐露した喜岡だったが、「下を向いている時間はない」と言葉を続け、気持ちを古巣戦に向けた。

 

「守備でも攻撃でも勢いを持ってやっていくと元気さんも話しています。そういうところに目を向けて勝利に向かっていきたい。もう一回、選手たちが目の色を変えてやらないといけない。練習から球際をもっとやらないといけないですが、ゼロからではないので、築き上げてきたものをレベルアップさせていきたい」

 

秋田戦は喜岡への期待がふくらむ試合になる。相手は今季10点をたたき出している小松蓮、2戦連続ゴール中の佐藤大樹を前線に置き、クロスボールを生かしてフィニッシュシーンを作る。喜岡の仕事は必然的に増える。

 

「蓮はちょっとの隙で(ヘディングシュートを)当ててきて、それを枠に飛ばす力がある。連以外にもクロスから決める選手がいるので、センターバックはそこを中心にやっていかないといけないですが、サイドの攻防でも上回って、秋田にクロスを上げさせないようにしていきたいです」

 

培った対応力を生かして自らのボール際で勝利することと、的確なコーチングで周りを動かしてクロス自体を減らすように働きかける。課題のセットプレー対応にも「まだ足りないところがあるのでやられているが、しっかりチームとして確認して臨みたい」と周囲と声を掛け合って無失点を目指す。

 

新生レノファにとって絶対に負けられない試合が始まる。勝利の扉を開く鍵を握っているのが古巣対戦の喜岡佳太だ。「自分たちのセットプレーではピンポイントで合えば得点を取れる感覚がある。狙っていきたい」。両ゴール前でひときわ光を放つ5番、ザ・センターバックの奮闘が維新みらいふスタジアムに待ち焦がれた笑顔を運んでくる。

選手コメント

元気さん(中山元気監督)が示すことによって僕たちが変わっていかないといけないこともあるし、良さん(志垣良監督)から引き継いでやっていくこともあると思います。ただ、少なからず変化がないと後半戦の状況は変わっていかないと思うので、元気さんが求めるものに応えられるようにやっていきたいです。ここから巻き返して、残留に向けて頑張っていくことが、良さんへの感謝の気持ちにもなると思います。ここから巻き返していきたいと思います。

 

元気さんとは世代が違うので現役時代のプレーを見たことはほとんどないですが、去年加入してから、FWの分析のところでは、元気さんにたくさん時間を割いてもらって指導してもらっています。今は監督という状況になり、よりFWに求めるものは大きくなると思います。個人的には高校の大先輩ということもありますし、元気さんを男にするというか、元気さんのためにも結果を出せるように頑張っていきたいと思います。

 

秋田は固いチームですし、インテンシティーでは上位に入ってくるチームなので、手堅い試合になると思います。1点の重みは大きい試合になるので、先制点をどうやって取り、どうやってクロージングするかが大事です。点を取られても、秋田にもウィークはあると思うので、そこを突いていけるように、試合の入りからしっかり自分たちのやるべきことをやっていくだけだと思います。

選手コメント

公式戦のピッチで(喜岡佳太、松田佳大のコンビと)一緒にプレーするというのは初めてでしたが、チームの守備の共通認識はあるので愛媛戦での戸惑いはなかったです。二人のストロングポイントを理解しながら、さらに補い合えるコーチングも意識して試合は進められました。僕としては今シーズンの一歩目をやっと歩み出せたというのが正直な思いです。リーグ戦に出たことで、チームはリーグ戦をこういう感じで戦っているんだなというところが、ピッチの中で肌感覚として感じられたのは良かったです。

 

秋田は攻守において粘り強いですし、ハードワーク、局面の勝負というサッカーの本質的なところを徹底しているチームで、手強い相手だと思っています。攻守においてゴール前の局面で力を発揮できる選手が多いので、局面の勝負、一瞬一瞬でやられないということは大事。逆にその隙を相手に作って突いていくという勝負になると思います。

 

試合は本当にセカンドボールの攻防にもなると思います。セットプレーでも一つ目のボールが直接入るというよりは、前節も一つ前で触られたあとでやられているので、全体で足を止めないとか、予測を止めないとか、そういうところが改めて大事になる。本当にこれからの後半戦は、前期のカップ戦を含めてこれまでの経験をピッチで表現し、結果につなげていきたいです。

前節フォーメーション

前節ハイライト

前回対戦ハイライト

スタッツ

jstats

ブラウブリッツ秋田 PICK UP PLAYER

小松蓮選手(背番号10)

得点ランキングトップ

元レノファの長身ストライカー

J2の得点ランキングトップを走る小松蓮が秋田のキーマンだ。小松は2020年と21年に松本山雅FCからの期限付き移籍でレノファに所属。22年に松本に戻ったあとはJ3が主戦場となるが、2023年のJ3リーグで19得点を挙げるなどカテゴリーを下げたとはいえ大きく大きく飛躍する。浮き球への入り方も良ければ、ゴールに確実に向かわせるシュートの振り方も抜群。自身のJ2復帰後もゴールを次々と決め、J2でも抜きん出た存在となっている。

 

現在の秋田を象徴する選手の一人であり、長身と敏捷性を生かして、ストライカーとしても、ポストプレーヤーとしても活躍する。レノファの中山元気監督も「レノファにいた蓮にはやられたくないが、(小松を生かす)秋田のストロングでも負けないように戦いたい」と警戒を強める。ポジションとしては昨季を一緒にプレーした5.喜岡佳太とマッチアップする可能性があり、レノファゴール前では激しいバトルになりそうだ。

 

レノファとして注意が必要なのは小松だけではない。2トップを組む鈴木翔大(背番号34)、左サイドハーフの佐藤大樹(同29)も上背があり、クロスに飛び込んでくる。こうした選手たちに球際の競り合いで負けないようにしたい。彼らを生かす吉岡雅和(同20)、小野原和哉(同80)、GK山田元気(同1)との対戦も楽しみだが、小松たちにボールが入らないように、元レノファの選手たちにプレッシャーを与え続けることも求められる90分間になりそうだ。

レノファニスタ