

維新公園の園路に咲く桜が春本番を告げるこの週末は、我らがホーム維新みらいふスタジアムに大分トリニータを迎える。レノファ山口FCにとっては2試合ぶりの勝利が懸かる試合だ。再びのやまぐち一番を目指し、スタジアムが一つになって戦っていこう。
レノファイレブンは今週、前節の北九州戦で出た課題の克服やチーム力の積み上げを目指して、熱のこもった練習に励んできた。前節を踏まえれば、球際の強度や前方への迫力を強めることは必須で、それは今節のポイントにもなる。チームはやるべきことを共有し、ベクトルを揃えて今節に臨む。
強度の面では相手との1対1の場面が増える選手たちに注目だ。3月24日に27歳になったばかりの19.山本駿亮、同じく27日に25歳の誕生日を迎えた36.西堂久俊のバースデーコンビは攻守両面で強度高く戦っていきたい。守備で相手の前への矢印を折り、攻撃では起点になったりドリブルを生かしたりできれば、勝利を引き寄せる大きな役割を完遂できる。
前節以上にボール保持時の質を上げることも重要になる。今季のレノファはポゼッションの要となれる選手が多く、前節は17.田邉光平と40.成岡輝瑠がボランチでタクトを振り、6.輪笠祐士が3バックの右、7.三沢直人がシャドーの左でプレーした。前節は本領発揮とならなかっただけに、今節こそは自在にボールを動かしてゴールに迫りたい。

また、小田切道治監督は「躍動感」をキーワードに挙げて次のように話し、攻守の強さやシームレスな連係を再起動させる。
「前節は守備で構えて消す作業が多く守備でもアクションを起こせなかった。攻撃も相手の3枚を引き出せていない。自分たちからアクションを起こす回数は少なかった。ホームでの連敗は絶対にしてはいけない。攻守においてしっかり躍動感を持ってやり、その結果として勝ちを得られるようにやっていきたい」
対戦相手の大分は開幕から3連勝したのちは足踏みが続き、直近2試合は宮崎と琉球に1点差で敗れている。前節の琉球戦はクロスボールの流れから有働夢叶(背番号21)が先制点を決めたものの、そのリードを守れず2-3で惜敗を喫した。
それでも四方田修平監督が指揮する大分のテクニックは随所に見られる。ワンタッチやツータッチでの細かな連係で相手を動かし、両サイドの高い位置を使っていく攻撃は前節も得点につながった。個々の技術や組織攻撃の質は高い。
レノファが今節を無失点で切り抜けるには、ウイングバックの宇津元伸弥(同14)や吉田真那斗(同7)、それにシャドーに入る有働、中川寛斗(同5)などの動きを抑制しなければならないが、システム上は3-4-2-1で噛み合う分、目の前の相手との勝負に負けないという当たり前を貫くことが重要になる。

もっとも1対1の局面そのものは見応えのあるバトルだ。サッカーの本質を体感できる試合になるに違いない。28.小林成豪や88.野村直輝にとっては古巣戦でもあり、試合に絡めば熱い戦いに期待が懸かる。
試合全体を見通せば、前節以上にレノファの時間と大分の時間はくっきりと分かれる展開が想定される。良い時間帯に躍動感のあるサッカーでシュートまで持ち込むことと、耐える時間にしっかりと耐えてなるべく自ゴールから相手を遠ざけることが大事になる。良いときも苦しいときも頼りになるのは熱い応援だ。春爛漫のみらスタで声援を轟かせ、90分での勝利を掴み取ろう。

ダイナミックなアクションに32歳という年齢を何一つ感じさせない熱いプレーの持ち主が、古巣対戦となる28.小林成豪だ。今年はチームとしての今季初得点も挙げた開幕戦を含め、全7試合に出場。このうち3試合に先発するなど、好調を維持している。
小林は昨年も32試合でピッチに立った。7年ぶりに30試合以上に出場したシーズンとなり、本人も語る「ケガがち」という不名誉を濯(すす)いだ。「プロになってからも初めてというくらいケガのないシーズンを過ごせている」。その背景にあるのが、意識の変化だ。
「ケガがちの状態がなかなか治らなかった。それでも良いとは思っていたが、30歳になって、さすがにこのまま引退になるのはもったいない(と思った)。やることをやって、それでケガをしたら仕方がない――」
ストイックに多くの改善を図った。「練習場に早く来て体を動かしたり、パーソナルトレーナーを付けたり」といった部分から、「水分補給や食生活」の向上にも着手し、好物のラーメンに通うのも控えるようにした。「ストレスを溜めてもいけないので、(ラーメンを)全くやめたわけではない」と微笑むが、30歳から始めたもう一段階の努力は出場機会の増加という果実を結んだ。
ただ、「出ているのは良いことだが」と言って、こう続ける。
「試合に出ている以上、得点に絡まないと意味がない。流れが悪い時とかは途中出場の選手が大事になってくる。ここ3試合、途中から出てなかなか流れを変えられていないので、そういうところも意識してやらないと勝てない」
前節の北九州戦では失点直後の後半15分から出場したが、小林のもとにボールが入る回数は少なかった。もっとも小林は前節の試合の中で、サッカーの原点にも触れることになった。
「点を取らないといけない状況で、前から圧力をかけていきたかったが、相手の球際だったり、気合いを感じた。迫力がすごかった。サッカーというのはそういうところから勝ち負けが決まる。あれを上回るようなことを途中出場でもやっていかないといけない」
迫力のあるプレーでゲームを変える動きは小林自身の真骨頂でもある。お株を奪われるわけにはいかない。「1対1でも負けないような迫力を持ってやっていきたい」と気持ちを入れ直し、得点に絡む躍動を目指す。
そして今節は2019年から22年まで所属した大分との古巣戦でもある。小林は「いつも通り相手に負けないようにということを意識したい」としつつも、「選手はほぼ入れ替わっているが、お世話になったクラブ。4年間いたので良いプレーを見せたい」と熱戦を誓う。先発でも途中出場でもゲームを動かす小林成豪の活発発地なプレーに今節も要注目だ。

ウイングバックをしているので、コータ(河野孝汰選手)が出ている試合を見る時に、岡山のウイングバックの選手も見ています。山根永遠選手(岡山)は前にも後ろにも走って良いクロスを上げている選手なので、そのプレーは見ています。自分としては攻撃のところでは監督からも中に自由に入って良いと言われているので、攻撃に関わりながら、あとは守備の部分でもしっかり頑張っていきたいです。
大分とは去年はルヴァンカップでも得点を決めて、ホームのリーグ戦でも得点を決めているので、大分キラーになれればいいなと思います。自分の感覚ですが、やっていて相性の良い悪いというのはあると思っていますし、その面では相性は良いのかなと思います。一人で一枚をはがせると状況は変わってくると思いますし、自分の良さを生かしながら良いクロスを入れていきたいです。良いボールを上げて、中の選手が合わせてくれるようにできれば良いなと思います。
先発に選ばれて自信になった2試合でしたし、プロの公式戦の舞台で先発するということから離れていた中で、もっとやらないといけないと感じることはありますが、やれるという手応えも得られました。そこを自信にして、ここからまた上積みしていきたいと思います。
大分戦は一人をはがせばというところは大きいと思いますし、流動的にポジションチェンジするようなところは効いてくると思います。北九州戦は右で停滞してしまったのが改善点でもあるので、試合に出ればよりそこは取り組んでいきたいです。連敗は許されないですし、勝つだけです。相手の選手では松尾勇佑は高校(市立船橋高)の同期で、足が速くて攻撃的な選手。キーパーの田中悠也も今はサブですが同期です。鹿児島でやっていた選手もいるので大分との対戦は楽しみです。
前節フォーメーション
前節ハイライト
前回対戦ハイライト
スタッツ
大分トリニータ PICK UP PLAYER
有働夢叶(背番号21)
今季すでに2得点の成長株
ゴール前の積極性に要警戒
大分でピックアップする選手がシャドーの位置でプレーする有働夢叶だ。「しゅうと」と読む名前の通り、果敢にゴールを狙う積極性はレノファ守備陣にとって警戒しなければならないポイント。前節も中川寛斗からのクロスボールから得点を挙げているが、味方に触れてコースが変わったクロスにしっかりと右足を合わせており、テクニックの高さも光った。
有働は興國高から中京大に進学したのち、在学中に大分の特別指定選手となって2024年3月にJデビュー。昨季はレノファ戦を含む11試合に出場した。今季は開幕からメンバーに選ばれ続けており、2月15日の北九州戦ではカウンターからのミドルシュートを左隅にしずめ、今季初ゴールを奪取。その後も縦横無尽に動いてフィニッシュシーンに関わっている。
レノファとしては隙を与えないことが重要になる。大分はボールを動かせる選手が多いほか、前線にはターゲットになる選手もいて多彩なパターンで攻撃を繰り出してくる。翻弄されて有働にスペースを与えるとリスクが広がってしまう。しっかりとしたブロックを築いた上で、シュート局面では確実に体を寄せるなど、シャドーでプレーする有働を確実に止めたい。伸び盛りの若手に向き合う3.大岩一貴、5.喜岡佳太などの経験値の高い選手の対応力にも注目だ。
INFORMATION
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