

明治安田J2・J3百年構想リーグが開幕する。このリーグ戦は秋春制への移行を前にした特別大会で、昇格や降格こそ懸からないが過去にない唯一無二のタイトルに向けて各チームが力を競う。もちろん、秋からの新シーズンに向けてチーム力を培う期間にもなる。降格がない分、思い切った采配も可能であり、通常シーズンとは違う魅力も感じられそうだ。
百年構想リーグは2つのラウンドで行われる。まずは「地域リーグラウンド」で、J2とJ3は10チームずつ4グループに分かれて、2回戦総当たり(計18試合)のリーグ戦を戦う。5月下旬に18節目が行われて各グループの最終順位が決すると、次は「プレーオフラウンド」。各グループの同順位同士4チームでトーナメントを行って、40チーム全体の順位を決める。例えば3位チーム同士のプレーオフの場合、トーナメントを勝ち上がる(2勝する)と全体9位となる。
いずれのラウンドも完全決着とするのが特別大会の特徴だ。90分の試合を終えて同点の場合、「地域リーグラウンド」ではPK戦を行なって勝者を決する。「プレーオフラウンド」では他のカップ戦と同じように延長戦を行い、それでもドローの場合はPK戦となる。勝点の配分は90分勝利で3、PK勝利で2、PK負けで1、90分負けで0。順位がもつれるほどにPK戦の重要度が増してくる。
開幕戦に目を向けよう。我らがレノファ山口FCは熊本県のえがお健康スタジアムでロアッソ熊本と対戦する。ともに去季が振るわずJ3降格となったチーム同士の対戦で、プライドを懸けた熱戦になる。
レノファを今年から率いる小田切道治監督は開幕までの1カ月間、常に強度の高いトレーニングを行って準備を進めてきた。新指揮官は「準備のためのトレーニングでは何の意味もない。1.5年と捉えているので、選手にも良い選手になることを求めたい」と言い切り、百年構想リーグも昇降格がないとはいえ勝ちにこだわる姿勢を徹底する。
「1カ月やってきたことがどれくらいでき、それが結果につながるか。戦う集団、勝ちにこだわる集団を作っていきたいので、ゲームの進め方、時間帯の取り方は大事。(1年半後のJ2復帰という)目標から逆算した時に、一つでも緩んでいる瞬間があったらダメ。目標のために一日一日、一試合一試合、大事に戦うことが前提になる」(小田切監督)
熊本戦も前線からの厳しいチェックで相手の選択肢を狭めたり、押し込まれてもシュートを被弾しないためのファイトを続ける姿が見られるだろう。小田切監督は「攻守においてアグレッシブに、シームレスなサッカーをしたい」とも話す。メンバーはまだ分からないものの、レノファに復帰した19.山本駿亮、復調してきている98.アレフ フィルミーノなどには得点はもちろん、守備の急先鋒としても期待が懸かる。
守備陣の攻撃への関わり方も注目だ。2.小澤亮太や18.亀川諒史、77.山本龍平などの選手たちはリスク管理に奮闘する反面、攻撃にも出ていけるサイド攻撃の鋭い槍にもなる。試合の進展とともに熊本の隙が見えてくれば、彼らの攻撃での持ち味も発揮されそうだ。
2025年11月の前回対戦はお互いに残留争いの中にあって独特の緊張感が試合を支配したが、レノファは36.西堂久俊のカットインから河野孝汰の決勝点が生まれており、印象の良さを持ったまま今節に臨めるのもポジティブな材料だ。ショートカウンターに出る場面が多くなる対戦カードでもあり、西堂のほか、8.野寄和哉、88.野村直輝など緩急ある攻撃を生み出すアタッカー陣からも目が離せない。
相手の熊本は新たに片野坂知宏監督が指揮を執る。神代慶人、塩浜遼など去季の主力選手が移籍した反面、大卒ルーキーなどを多く迎え入れ、今年も熊本らしいフレッシュなメンバーを揃える。前任の大木武監督が実践したパスサッカーが片野坂監督のもとでどのような変化をしていくのかは、同チームのサポーターや対戦者の我々のみならず、サッカーファンの多くが注目しているだろう。
とはいえ今のところはサッカースタイルはベールに包まれている。ある程度は熊本がボールをつないでくることは想定できるため、レノファとしては相手に悠々とはボールを持たせないようにしたい。もちろんレノファがボールを持てば、熊本もアグレッシブに奪いにくるはずで、試合を通じて激しいボールの奪い合いになる。熱い球際の攻防は必見だ。
特別なシーズンもレノファが目指すのは目の前の試合の勝利。そして白星を手にする成功体験を通じて成長を遂げ、1年半後のJ3再戴冠とJ2復帰を目指してゆく。熊本での開幕戦は気温が低くなるため、アウェイの地に向かう場合は防寒が必須だが、現地やパブリックビューイングなどから寒波を吹き飛ばす声援を届け、栄光への一歩となる勝利を掴み取ろう!

特別な大会ですが、一試合一試合に勝つことは求めていかないといけないです。より良い結果を出していくことはリーグ戦と変わりないです。強度の高いサッカーをやるということは小田切監督が当初から話していますし、きつい時に一歩出せるか、何センチ寄せられるか。攻守において強度の高いサッカーは監督も求めてやってきています。選手自身もモチベーション高く取り組めています。
熊本は去年の印象として細かくつないでくるというところがあります。監督が代わったので分からない部分もありますが、技術が高い選手が多いというのもありますし、相手がどうやってくるかはチームの中でも共有してやっていきたいと思います。
守備陣とは練習の中から話しながらやれていますし、キーパーも選手によって特徴は異なりますが、コミュニケーションをとりながら問題なくできています。守備としてはクリーンシートは増やしていきたいと思います。試合では攻守において自分たちから戦い、最後まで走り続ける姿勢、主導権を握って戦うところは練習やトレーニングマッチからも取り組んできているところなので、そこを見せつつ、しっかり結果としての勝ちを届けたいと思います。
ブラジルに帰っている時は33度くらいの気温があり、日本に戻ってきた時は5度くらいだったので、最初はすごく寒くて大変でしたが、今は寒さにも慣れたので問題なくできていて、コンディションも良いです。熊本戦も寒さがあるということですが、問題ないと思います。
半年間は昇格がないですが、最短で昇格できるように全力で取り組んで強いチームを作ることが目標です。監督は自分にだけでなく、全体に向けて、コミュニケーションを取ってチームを活気付けていくことも求めています。そこは戦っていく上で大事なことだと自分も思います。外国人選手だからということは関係がなく、良いコミュニケーションを重ねて、良いチームを作っていきたいと思います。
昨シーズンはケガをしてしまいました。ピッチ外ではできる限りのことはしましたが、思うようにチームを助けることができなかったので、今年はチームに貢献できるようにしていきたいです。FWなので点を取ることが一番ですし、点を取るプレーを見てほしいです。昨年の熊本戦はスタジアムで見ていて、相手もパスをつなぐ良いチームだという印象がありました。試合に出られれば自分がゴールを取り、勝点3を取れるようにしていきたいです。
前回対戦ハイライト
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